売上取込と商品マッチング

PUBNAVIでは、販路より受領した売上ファイルを、事前に登録した「商品マスタ」とマッチングし、売上取込を行います。
ここでは売上取込時のマッチングの方法について解説します。

商品コードと商品コード変換マスタ

  • PUBNAVIでは、「商品マスタ」で登録した商品単位で売上を取り込み、集計・管理を行います。
  • 売上取込の際の商品マスタとのマッチングは、下図のとおり、売上ファイルに記載された①連携用コード②販路商品コード③販路商品名④販路商品名(補助用)を対象に行います。
    • ①連携用コード②販路商品コード③販路商品名④販路商品名(補助用)の売上ファイルでの記載列位置は、「売上取込設定項目」で指定します。詳しくは「売上取込設定」および「販路マスタ」をご参照ください。
    • 「売上取込設定」は、主要な販路はあらかじめ設定済です。設定を変更していただくことも可能です。
  • 売上ファイルに出版者指定の商品コード(①連携用コード)が記載されている場合は、直接取込が可能です。
  • 商品コード記載がない場合は、「商品コード変換マスタ」を事前に登録し、②販路商品コード③販路商品名④販路商品名(補助用)を商品コードに変換して取り込みを行います。
    • 「商品コード変換マスタ」の登録法等詳細は、こちらをご参照ください。
  • 「商品コード変換マスタ」を登録した場合でも、①連携用コードと「商品マスタ」の商品コードとのマッチングが優先されます。
  • 連携用コード(商品コード)
    「商品マスタ」で指定した商品コード(連携用コード)が売上ファイルに記載されている場合、直接取り込みが可能です。
  • 販路商品コード
    販路によって付番された商品コード(販路商品コード)が売上ファイルに記載され、これを商品コードに変換する場合、「商品コード変換マスタ」の販路商品キーに、販路商品コードを記載のうえ登録してください。
    販路商品コード販路商品キーがマッチすると商品コードに変換され取込が行われます。
  • 販路商品名
    売上ファイルに記載された商品名(販路商品名)でマッチングを行う場合は、「商品コード変換マスタ」の販路商品キーに、販路商品名を記載のうえ登録してください。
    販路商品名販路商品キーがマッチすると商品コードに変換され取込が行われます。
    販路商品名は、販路側による表記揺れにより、「商品マスタ」の商品名とは必ずしも一致しません。このため「商品コード変換マスタ」は販路ごとに設定し、販路商品キーには表記揺れを反映させた記載が必要となります。
  • 販路商品名(補助用)
    「タイトル名/〇巻」や「雑誌名/号数」のように、売上ファイルで列が分かれた記載を組み合わせてマッチングさせたい場合に使用します。
    売上ファイルの販路商品コード販路商品コード(補助用)と、「商品コード変換マスタ」の販路商品キー販路商品キー(補助用)とで組み合わせたマッチングが可能になります。

商品コード変換マスタを利用したマッチングのパターン

「商品コード変換マスタ」を利用した場合、下表のとおりマッチングを行います。

  • 売上ファイルと「商品コード変換マスタ」の記載状況に従い、マッチングの判定を順に実施します。
  • 「商品コード変換マスタ」の販路商品キー(補助用)の記載があり、売上ファイルの販路商品名(補助用)の記載がない場合、販路商品名販路商品キーが一致してもマッチングは行わず、判定は×となります。
  • 逆に、売上ファイルの販路商品名(補助用)の記載があり、「商品コード変換マスタ」の販路商品キー(補助用)の記載がない場合は、販路商品名販路商品キーのみの一致でマッチングを行い、判定は〇となります。
 
連携用コード(JDCN等) 列位置販路商品コード 列位置を同列で指定した場合の優先順について

売上ファイルの同じ列に販路により振られたコードと出版者が指定した商品コードが混在して記載されている場合、連携用コード(JDCN等) 列位置販路商品コード 列位置を同列で指定するケースがあります。この場合、「商品コード変換マスタ」による変換より商品コードでのマッチングが優先されます。

商品コードの付番と販路との連携

  1. 商品コード
      • 「商品マスタ」に記載する商品コードは、出版者が付番するコードです。
    • コード体系は、JDCNや、その他出版者独自の管理コード等、自由な付番が可能です。
  2. 販路との連携
    • 多くの販路では、売上ファイルに出版者付番の商品コードを記載し、報告を受けることができます。
    • 商品コード記載のためには、新刊発行時の書誌情報に商品コードを必ずご記載のうえ、販路宛提出してください。
      • メディアドゥ取次では書誌情報の「出版社経理コード」欄に記載。
      • 他販路では、経理コード、書籍コード等、呼称は様々ですので、ご確認のうえお手続きください。
    • これまで売上ファイルに商品コードの記載がなかった場合は、既刊分の商品コードを販路に伝え、以降発行される売上ファイルには商品コードが記載されるよう販路に依頼してください。
    • 商品コードを販路と連携することで、「商品コード変換マスタ」登録が不要となります。「商品コード変換マスタ」登録は煩雑な作業となりますので、販路との商品コードの連携を強く推奨させていただきます

商品マスタの商品登録粒度について

  1. 販売単位で登録
    • 商品マスタでは、商品の販売単位で商品を登録します。
    • 単品、巻単位、分冊単位、合本等での販売がある場合、それぞれ商品の単位で商品を登録してください。
    • 販路から受領する売上ファイルは、原則的に販売単位で明細の報告が行われます。これを正しくマッチングして売上取込を行うために、販売単位での商品登録が必要となります。
  2. 売上ファイルの明細報告単位での商品登録
    • 販路、および販売方法によっては、コミックのような複数巻の商品の場合、巻を束ねたタイトル単位で明細が報告される場合があります。この売上を取り込むためには、タイトル単位での商品登録が必要となります。
    • タイトル単位での商品登録を行う場合、希望小売価格は「0」としてください。
      • まとめ売り、合本での販売ではないため、合計金額での記載には適しません。
      • 電子印税明細の希望小売価格の記載は「-」となります。
      • 「印税契約マスタ」で、計算対象の金額商品マスタの希望小売価格に設定しないようご注意ください。
    • 商品マスタのタイトル連番を記載する場合、タイトル単位商品登録の際は「0」の記載を推奨します。
      • 後述の、電子印税明細でタイトル単位でまとめて記載する方式を選択した場合、タイトル単位商品と巻単位商品を同一タイトル名で登録することで、両者をまとめた表示とすることが可能となる予定です。
  3. 連載/話販売
    • 連載や話販売では、出版者が用意した商品ではなく、販路側でより小さな単位に切り分けて販売が行われるケースが多くあります。
    • この話販売単位で売上取込を行うためには、販路側で切り分けた連載/話単位での商品登録が必要となり、大量の商品を登録することとなります。また、販路により切り分け単位や販売単価が異なることも多く、これを別商品登録するとなると、商品登録がさらに煩雑となります。
    • 上記回避のため、売上ファイルに記載される商品コードを切り分ける元となった巻販売商品の商品コードとし、切り分けられた話販売商品をすべて巻販売商品にまとめて売上取込を行う対応が一般的です。
      この場合、デメリットとしては、①話単位での販売動向が把握できないこと、②巻販売商品の売上データに販売単価の異なる話販売商品が混在すること、等が挙げられますが、商品登録の煩雑さは大幅に解消されることとなります。
    • なお、話販売商品の売上ファイルに記載される連携用コード(商品コード)は、販路側との調整のうえ希望のかたちでコードを記載して戻してもらえるようご依頼ください。

■売上ファイル記載例
 ※巻販売商品名「〇〇〇1巻」の商品コード「11111111」、「〇〇〇2巻」の商品コード「11111112」の場合。

販路商品名 販路商品名(補助用)※話名 連携用コード ※註
〇〇〇 第1話 11111111 「〇〇〇1巻」で取り込み
〇〇〇 第2話 11111111 「〇〇〇1巻」で取り込み
〇〇〇 第3話 11111111 「〇〇〇1巻」で取り込み
〇〇〇 第4話 11111112 「〇〇〇2巻」で取り込み
〇〇〇 第5話 11111112 「〇〇〇2巻」で取り込み
〇〇〇 第6話 11111112 「〇〇〇2巻」で取り込み
  1. 電子印税明細での書籍名の表記について
    • 支払先に送付する電子印税明細の書籍名は、「商品マスタ」の商品名が表示されます。
    • 「商品マスタ」のタイトル名または作品名単位での明細出力には、2022年夏頃対応予定です。

売上ファイル仕様の設定と変更について

デフォルトで用意された販路の売上ファイルの仕様を変更する際の変更例をいくつかご案内します。

  1. 標準的な売上ファイルと異なる形式で受領するケース
    • デフォルトでは標準的な形式で登録されていますが、一部出版社様において契約等により記載列が追加されるなど形式が異なる売上ファイルを受領するケースがあります。この場合、売上ファイル仕様を適切な設定に変更をお願い致します。
  2. 連携用コード(JDCN等) 列位置の変更
    • 「商品マスタ」記載の商品コードと直接マッチングさせる列の指定です。
    • 売上ファイルに商品コードとJDCN等のコードが別列に記載され、他方の列でマッチングを行いたい場合、指定列を変更のうえご対応願います。
    • 例)デフォルトでメディアドゥ取次の売上ファイルの「出版社経理コード」列が指定されているケースで、別にある「JDCN」列でマッチングさせたい場合。
  3. 販路商品コード 列位置の変更
    • 「商品コード変換マスタ」で指定した「販路商品キー」とマッチングさせる列の指定です。
    • 売上ファイルに記載された販路側で付与したコードをキーにマッチングさせ、商品コードに変換して取り込みます。
    • デフォルトで売上ファイルの巻/話単位で付与された販路商品コード列が指定されているケースで、別にタイトル単位で付与された販路商品コード列でマッチングさせたい場合、指定列を変更のうえご対応願います。
  4. 販路商品名 列位置の変更
    • 「商品コード変換マスタ」で指定した「販路商品キー」とマッチングさせる列の指定です。
    • 売上ファイルに記載された「商品名」をキーにマッチングさせ、商品コードに変換して取り込みます。
    • デフォルトで売上ファイルの巻/話単位で記載された「商品名」列が指定されているケースで、別のタイトル単位で記載された「商品名」列のほうでマッチングさせたい場合、指定列を変更のうえご対応ください。
  5. 販路商品名(補助用) 列指定の変更
    • 「タイトル名/〇巻」や「雑誌名/号数」のように、売上ファイルで列が分かれた記載を組み合わせてマッチングさせたい場合に、「〇巻」「号数」側のマッチングを行う列の指定です。
    • 指定がなく、この単位でマッチングさせたい際は、列指定を追加してください。
    • 指定があるものの、「タイトル名」「雑誌名」単位でのマッチングで取り込みを行いたい場合は、列指定を削除してください。
      • 上記の場合、指定削除しなくとも、「商品コード変換マスタ」の販路商品キー(補助用)の記載を行わないことで、販路商品名で指定した「タイトル名」「雑誌名」単位でのマッチングでの取込が可能です。
  6. 販路による売上ファイル仕様の変更
    • 販路側で売上ファイル仕様が変更された場合は、ユーザー様により新仕様に合わせて設定変更をお願い致します。
    • デフォルトの売上ファイル仕様をPUBNAVI側でも変更のうえ通知させていただきますが、この変更はユーザー側設定に反映されません。ご留意ください(新たに販路追加したケースのみ、デフォルト変更後の売上ファイル仕様が反映されます)。